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女らしさ・偏見

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隠された部屋は、誰にでも開かれている
のに、ほとんどの人から無視されてきた、
そんな部屋です。私は32歳になってから、
その部屋を発見しました。きっと、数年に
1人の割合で、部屋を見つける人はいたと
思います。しかし、その部屋にい続けるのは
精神的に辛すぎる。その部屋にいるという
だけで偏見や差別の対象になるからです。
だから、部屋の存在に気づいても、ほとん
どの男性はすぐに逃げ出してしまう。
部屋を訪れる女性にとっては違います。
でも、部屋が寂れ、放置されているのを見て、
男性から関心がないと勝手に思い込んでし
まうのです。それはどのような部屋か。
男性用ドレスとワンピースの部屋です。

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私は、男性用ドレスやワンピースが市場に
存在しないのは性差別だと思います。
そのような商品を欲しいと公に主張する人は、
過去に一人もいませんでした。轟々たる批判
が、はじめから予測できるために、
困難さを受け入れられないのです。
私はそのような部屋が、存在することを
皆さんに伝えたい。隠された部屋は日光に
晒されなければならない。なぜなら、
ファッションにおけるドレスやワンピースは、
相撲や歌舞伎のように、性差別によって
少しずつ停滞する業界になっているからです。

話をしても無駄よ、解らない
もの。きっと信じないわ、変な話よ。
私が立ち去るほかないの
ダリオ・アルジェント
『サスペリア』(1977)
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一部改変
問題は男性用ドレス(ワンピース)を
市場に提供することに
何らかの価値があるのかどうか、
ということではない。
それは男性用ドレス(ワンピース)が、
その代わりに存在しないことにより、
さらに価値を持つのかということだ。
ウィリアム・パウンドストーン
『クラウド時代の思考術』(2016)p.24
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この考え方は異端だし、特殊すぎます。
しかし、間違っていません。論理的思考から
いえば、正しすぎるほどに正しい。
問題は何か。それは偏見をもった人が、
自分が偏見をもっていることを認識していな
い点です。私はこの部屋を、皆さんに知って
もらうためにホームページを公開しました。

『Always #LikeAGirl』(2014)

「じゃあ、あなたは、ちょうど今、妹を侮辱したと思いますか?」
男の子「いいえ、いやその、はい…」
男の子「女の子たちを侮辱したのであって、妹じゃない」
 わたしはこの動画が大好きだ。何度も何度も見てしまう。そして毎回、少女たちの躍動感いっぱいの動きに胸を打たれ、ちょっと泣いてしまう。
 本物の女の子が演じる「女の子らしさ」と、それ以外の人たちが、いわばフェイクとして認識してしまっているイメージとしての「女の子らしさ」。
 このズレって、なんなんだろう。
「女の子らしい」という言葉が表すのは、優しいとか可愛いとか控えめとか従順とかおとなしいとか親切とか思いやりがあるとか華奢とか色白とか清潔とかいい匂いがするとか、そういう感じだろうか。「女らしい」だとそこに、料理がうまくて家庭的とか、子供好きとか世話好きとか、男を立てるとかちょっぴり色っぽいとか……(山内 p.21-2)

『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリー
・ブラッドショーとファッション(1998-2004)

"ボロを着てれば心もボロだろ"と言ったのは鈴木いづみだが、女性の自信はその日着ているもので決まる。キャリーがパリで傷ついたとき、自分自身を取り戻すきっかけになったのが、彼女のシグネチャーともいえるネームプレートネックレスだったように、ファッションは彼女の自尊心を支える重要な要素だ。ハイブランドをこよなく愛しつつ、ヴィンテージショップで見つけた掘り出し物とミックスする独特の着こなしは、シーズンを追うごとによりスタイリッシュに進化していく。あれだけ年齢に対する憂鬱を語りながら、不思議なことに彼女のスタイリングは年を取るにつれ、より自由に、チャーミングになっていくのだ。
 大勢の観客の前で派手に転んだキャリーが、立ち上がって胸を張り、再び歩き出す姿は、女性賛歌そのもの。完璧ではない自分を許し、受け入れること。キャリー・ブラッドショーはいつもファッションによって、その難題をクリアしていく。(山内 p.55-6)

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問題は、自分に似合う女性用ワンピース
を購入して、実際に着て街を歩いてみると、
ものすごく目立つことです。
そして、強烈な副作用があります。
若い女性から顔を見られることです。
あのドレスやワンピースを着ている人は、
男性か女性か確認したいのでしょう。
しかし、それは若い女性の注目を浴びますが
それ以上の意味はありません。一人の男が
ワンピースやドレスを着ただけだからです。
注目を浴びるのは、1人につき、電車内では
3秒、街中では1秒ほどです。

なんでも、でき
る。なんでも、なれる。
東堂いづみ
『HUGっと!プリキュア』
第42話「エールの交換!
これが私の応援だ!!」
(2018)
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そして、心の中では周囲の人を騙して
いる気持ちが渦巻いています。なぜこの
ようなことが起きるかというと、人間には
思考のシステムが2種類存在し、普段は
速い思考で生活しているからです。
そんな時に、周囲の人たちに遅い思考を
用いることを強いるために、周囲から注目を
浴びたように感じるのです。だから、これは
モテているわけではないのです。私はこの
現象をとても面白いと感じました。
だから、もっと実験して、周囲からの反応を
分析して、調べたいと思います。そして、
この部屋の存在を知っていただきたい。
私の最終的な目標は、男性用ドレスやワンピ
ースを市場に供給していただくことです。
そのために、これからもこの実験を繰り返し
て、そのフィードバックを皆さんと共有して
いきたいと思います。

身も心も蕩けて
 数年前、ヒューゴ・マイアロンという
真に創造的な(そして果敢な)研究者が1
万6000人の男女を対象に調査をし、彼
らのオーガズムをめぐる経済学的研究を
行いました。と言っても、脳内にドーパ
ミンが行き渡る恍惚を伴う純粋なオーガ
ズムについて調べたのではなく、何が常
習的にイッたふりをさせるのかを調べた
のです。
 現在の相手とのセックスで常習的にイ
ッたふりをしているのは男性でおよそ
26%、女性で72%ほどです。男の方の率
が低いのは、ふりをしてやり過ごせると
は思っていないからです。男女の別にか
かわらずパートナーに嘘を見抜かれるの
は嫌なもの。欺瞞の期待費用は発覚する
可能性の積なので、イッたふりをする期
待費用は男性の方が高いのです。
 この調査についての疑問は、女性がイ
ッたふりをする時、本当に騙されている
のはどちらかということです。彼女が彼
を騙しているのだから男性でしょうか?
それとも、騙しおおせていると思って
いる女性の方でしょうか?
 調査対象の男性の過半数(55%)は、彼
女がイッたふりをしてもそれには騙され
ないと答えています。統計的には、これ
らの男性の少なくとも半数はイッたふり
をする女性を相手にしていることになり
ます。同時に、イッたふりをしても見抜
かれると考える女性はわずか24%です
(ここには実際にはイッたふりをしてい
ない女性も含まれています)。この差に
説明をつけるには、彼女はイッたふりな
どしていないと彼が思っているか、ある
いは彼女たちがイッたふりをしているの
に彼にはバレていない(実際にはバレて
いるのに)と思っているかです。
 男どもは女性がイッたふりをしている
のがわかっていてもそれを認めないので
しょうか? そうかもしれません。しかし
センター・フォー・セクシュアル・ヘル
ス・プロモーションによると、男性の
85%が最近のセックスで相手はオーガズ
ムに達したと答えているのに対し、女性
側の回答はわずか64%にとどまりました。
マリナ・アドシェイド
『セックスと恋愛の経済学』(2013)p.287-9

『キューティ・ブロンド』(2001)のナンパシーン

「あなたってダサい感じ。あたしみたいな女は、あなたみたいな男とはデートしないの」
「なんでわたしを誘ってくれなかったの? わたしたち、すばらしい一夜を過ごしたのに。あれっきり連絡なしなんてひどいわ」
「ねえ、あなた、デートはいつがいいかしら?」

※このページは、山内マリコ『あたしたちよくやってる』(2019)を参考にしました。
「」(山内 p.)と記載されている部分は、山内マリコさんの個人的見解です。
p.は著書のページ数から引用したものです。

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