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LGBTQ・BL

周りはこう言うの
トラブルの元だって
だけどそんな時代はもう終わり
チャーリー・メイソン
『Rise Like A Phoenix』(2015)
粋なシルクハットと燕尾服姿
のエイミーが、ステージの中央へさり
げない足どりで歩いていく。とたんに
観客の野次が飛び、オーケストラの音
楽にまじる。トムはステージのほうを
見あげ、はっきりとうれしい驚きを顔
に表わす。エイミーは、嵐のような野
次にも平然として、冷たく観客を見お
ろしている。観客たちは、ステージの
下のほうにいて、叫んだり、押しあっ
たりしている。エイミーは、さりげな
く煙草をふかす。下のほうで観客のな
かにいるトムは、そばで野次っている
兵隊のほうを向き、無理に拍手をさせ
る。エイミーは騒音がつづいていても
、平気な様子である。画面はふたたび
観客のほうへ移る。ステージの端近く
で、男たちのグループのまんなかに、
女が立っている。男のひとりがその女
を引っぱって席にすわらせようとする
と、女が悲鳴をあげる。エイミーが観
客のなかにおりていき、イブニング・
ドレスを着た一団の客のすわっている
テーブルのそばを通るにつれて、
ついに嘲笑のざわめきが
讃嘆の拍手に変わる。
ベノ・ヴィグニー
『モロッコ』(1930)p.23
グレタは彼の不安に気づいた
ようで、手を伸ばしてアイナーの頰に
触れた。「心配することないわ」そし
て、こう続けた。「まわりの人の言う
ことを気にするのはやめなさい」---
彼女は彼の本心を尋ねた。自分のこと
を化け物かなにかと思っているのでは
ないかと?リリー自身でさえ、自分に
対する認識がその時その時で変化して
しまう。鏡を見たときも、安堵の息を
吐いて感謝の思いでいっぱいになるこ
ともあれば、ドレスを着た『男女(お
とこおんな)』がこちらを見つめてい
ると気が塞ぐこともある。グレタと
ハンスは、そんなことを考えるなと言
う。しかし、ひとりになったとき、
彼女の胸の中には自分を否定する
気持ちが頭をもたげてくるのだ。
デイヴィッド・エバーショフ
『リリーのすべて』(2000)p.14,397
「これ、着てみろよ!」皆が笑い
ながら、持ってきたサソリ"コスチュ
ームは意外にもユウにぴったりと似合
った。さらに先輩たちは面白がって、
ユウの顔を素敵にメイクアップした。
「ぼくの名前はたった今から
女番長サソリだ! わかりましたか!」
ユウはヤケクソ気味に怒鳴った。
園子温『愛のむきだし』(2008)p.123-4
「ママにいやらしいっていっ
たんだって」ナタリーが楽しそうに
報告した。「すごーく、いやらしい
って」二人が口をそろえていった。
どうやらその会話の正確な言葉が、
この子たちの頭にこびりついていた
らしい。(中略)「ママも、いやらし
いと思うっていったわよ」
アン・ファイン
『ミセス・ダウト』(1987)p.33
いいか? 違う基準を持った
人もいるんだ、君や僕とは。それを
認められないとしたら、心が狭くて
前向きじゃないって、そいつらの
こと、笑えないよ、僕たち。---
しっかりしろ、ここから帰っちゃい
けない。ハイウェイで事故を目撃
したのと同じさ。目を向けられな
い。そむけることもできない。---
言っても無駄かも知れないけどね、
あのタイプは、受け入れたくない
ことは、分ろうとしないからね。
ある種の事実を拒絶する。
アランは、現実を直視しないで、
人生をまとめてきたのさ。
マート・クローリィ
『真夜中のパーティ』(1968)p.18,92,95
自分が知ったことと、信じ
ようとしたこととのあいだには、
いささか隙間が空いていた。だが
、それはどうすることもできない。
そして、自分で解決できないなら、
それは我慢するしかないのだ。
E・アニー・プルー『ブローク
バック・マウンテン』
(1997)p.82
さあ、狂った人たちのために
お祝いしましょう。不適合な人、反抗
する人、もめごとを起こす人。四角い
穴にはまった丸い杭みたいな人。もの
ごとを別のところからみる人。……
彼らが人類を先へ先へと動かしていく
のです。そんなのはただの「狂ったや
つ」じゃないかとみる人もいるかもし
れません。しかし私たちは彼らこそ天
才だと思います。彼らは自分が世界を
変えられると思うほどにひどく狂って
しまっています。ですがそういう人た
ちこそが世界を本当に変えてしまうの
です。ですから彼らは天才なのです。
アップル社『Think different』(1997)
どうして俺はこんなところに立つ
事になったんだろう。まだ信じられな
い。4週間前は全くの別人だった。こ
れといった刺激のない生活。妻と子ど
もがあり、美人を見かけても振り返る
などということはなかった。決して。
ジーン・ワイルダー、ジャン=ルー・ダバ
ディ『ウーマン・イン・レッド』(1984)
「一番近いのは、女装。まだ
カラダはいじってないから」
「え? じゃあオンナの
カッコしてるだけなの?」
「だけ、じゃないかなあ。私
は女の子になりたいからね」
そう。私は女の子が大好き。そして女
の子になりたい。だから今、実家を離
れて思いっきり『女の子ライフ』を満
喫してる。
「それって……性同一性障害
ってやつ?」
おお、よく知ってるね。ドラマとかで
やると、一般の認知度も上がるなあ。
「近いけど、違う。まあ一番近いの
は、トランスジェンダー」
「よく、わかんないんだけど」
「わかりやすく言うと、私は
女の子になって女の子と
カップルになりたいの」
それを聞いた後藤は、マンガみ
たいに口をあんぐりと開けた。
「女の子と……女の子?」
「そう。心はレズビアン」
でも、身体は男。そう説明すると、
後藤はさらに混乱する。
「え? え? つか、なにそれ?」
「まあ、身体はいつかどうにかしたい
けど、手術するにはお金も必要だし。
ていうか、手術するほど方向性が定ま
ってないっていうか」
正直、これは私にもまだわからない。
なぜなら私は、男の身体を嫌悪してい
るわけではないからだ。
「だってほら、このままだったら
好きになった女の子と偽装結婚
もできるし」
「や。偽装じゃなくて、
それ、フツーの結婚だろ」
「違うよ。だって女の子同士だもん」
「じゃなくて、性別的にはさ」
言いながら、後藤は力尽きたように
ソファーに腰を下ろした。
「……家族とか、知ってんの」
「知ってるよ。でも親戚までは
言ってない。だから帰るときは、男
のカッコしてる」
「え。じゃあさ、俺にバ
ラしちゃっていいわけ」
ふん? そこ気づくんだ?
私は軽くうなずく。
「いいよ、別に。もう
ふっ切れてるから」
「だってその、悩んだり
とか、隠したりとか」
「だから、そういう時期はすぎちゃっ
たんだってば。まあ、実家にいたら面
倒だったとは思うけど、東京にいる限
り、何の不都合も感じないし」
むしろ今の悩みは、彼女がいないこと
なんだけど。私が言うと、後藤は微妙
な表情になった。
そう。私の性的指向はあんたと一緒。
同じ獲物を狙う、ライバルなの。
坂木司『女子的生活』(2016)p.21-2
それが、あなたが直面してい
る大きな問題なのよ、スザンナ。あな
たの人生の岐路ね。自分の弱点にどれ
だけ甘えるのか? あなたの弱点はなに
? それは弱点なの? 弱点を大切に抱き
しめて、一生病院で暮らすの? 大問題
よ。大きな決断だわ。気づかないふり
をしていても驚くにあたらない。
ジェームズ・マンゴールド、リサ・ル
ーマー、アンナ・ハミルトン
=フェラン『17歳のカルテ』(1999)

隣にある別世界(パラレル・ユニヴァ
ース)に移るのは、ごく簡単だ。パラ
レル・ユニヴァースはたくさんある。
精神異常の世界、犯罪の世界、身体障
害の世界、死にゆく者の世界、たぶん
死者の世界もその一つだろう。こちら
側の世界にそっくりで、すぐ隣にある
けれど、内側にはない世界。(中略)パ
ラレル・ユニヴァースでもうひとつ不
思議なのは、こちら側からは向こうが
見えないけれど、向こう側に行ってし
まうと、こっちの世界がとてもよく見
えるということだ。
スザンナ・ケイセン『思春期病棟の
少女たち』
(1993)p.9-10
あれは小学校5年の春だったか
。 遅咲きの桜がもう散りかけている
季節だった。 紅いクレヨンですうっ
と掃いたように、下着を汚したあざ
やかな紅を、今もはっきりと覚えて
いる。お風呂場で何度も身体を洗っ
た。洗いながら私は泣いた。何がせつ
なくて泣いたのだろう。手足を冷たく
してあたしはいつまでも泣いていた。
その夜のお赤飯はほとんどのどを通ら
なかった。
吉田秋生『櫻の園』(1986)p.73-4
  • secret-picture17
  • secret-picture18

    Wikipedia:Comiket 84 - Summer 2013
    @ Tokyo Big Sight (9493129796).jpg

スラッシュ小説なるものの
存在を初めて知ったとき、多くの人は
困惑してうろたえる。いったいどうし
て、主人公が両方とも男のラヴ・スト
ーリーを(その主人公がメディアの登
場人物であろうがなかろうが、その様
子がありありと示されているようなセ
ックスシーンがあろうがなかろうが)
読みたがる女がいるのだろうか?この
問いの背景にあるのは、たいていの女
は男性キャラクターには簡単に感情移
入しないだろうという思い込みかもし
れない。---写実的な性描写が多いの
で、スラッシュ小説は他の女性向けア
ダルトものに比べてよりポルノ的だと
言われることがよくある。しかしある
意味では、むしろポルノ的ではないの
である。男性向けポルノの本質は写実
的なセックス描写ではなく(事実、ソ
フトコアのポルノというのがあるくら
いで)、むしろ目的そのものとしての
セックス描写である。ところが、どん
な女性向けのアダルトものでもセック
スをそういうふうに描写することはな
い。正統派ロマンス小説の中では、性
的な魅力とセックスとは、ヒロインと
ヒーローの間の絆を強めるために不可
欠である。スラッシュ小説ではしかし
、二人の友情の絆は、セックスが現実
問題となるずっと前から確固としたも
のになっているのだ。
キャスリン・サーモン、ドナルド・サ
イモンズ『女だけが楽しむ「ポルノ」
の秘密』
(2001)p.120-1,130-1
リアはyaoiの二次創作にもハマ
ってて、去年の夏、おれも興味を持っ
て、ネットを探して、いくつか読んで
みた。信じられないくらいたくさんあ
って、選びたい放題なんだ。ハリー・
ポッターとドラコ・マルフォイは、ホ
グワーツじゅうのほうき入れっていう
ほうき入れで、千通りくらいの方法で
いちゃついてた。中にはいくつか、ち
ゃんとまともな文法で書かれてるもの
もあって、毎晩読みふけった。あの2
週間はヤバかった。あの夏に、おれは
洗濯のやり方を覚えたんだ。母親に洗
ってもらうわけにはいかない靴下があ
ったから。
ベッキー・アルバータリ『サイモン
vs人類平等化計画』
(2015)p.29-30
私たちはゲイのティーンたちに
ついて二つのことを覚えておく必要が
ある。まず彼らは他の子たちより危険
な状態にあるということ。もう一つは
、それでもほとんどの子たちは何とか
切り抜けていくということだ。そこで
一番問題になるのが両親の態度だと、
イリノイ大学で子どもの成長を研究す
るドロシー・エスぺラージ教授は言う
。彼女はゲイの若者の学校体験に関す
る研究の第一人者である。「自分がゲ
イだということも含め、いろいろなこ
とを両親とよく話し合うことができる
子どもは、抑うつも不安感も少ないの
です」と教授は話す。「両親のサポー
トは何よりも、辛さを和らげる効果
があります」2010年にサンフランシ
スコ州立大学のケイトリン・ライアン
が発表した調査結果によれば、家族が
支援してくれるゲイの子どもは、自分
の将来に関して希望を持ち、家族のサ
ポートが得られない子たちに比べ、自
殺を試みたり、うつになったり、薬物
やアルコールに走ったり、HIV感染の
リスクを冒したりする傾向が少ないと
いう。一方で両親が子どもを非難した
り、あるいは子どもを守るつもりで、
一切のゲイの仲間との付き合いを禁じ
たりすると、それらのリスクはかえっ
て高くなる。学校でいじめられる子ど
もと同様に、家で拒絶される子どもも
、不健全な行動に走りやすい。(中略)
もちろん、家族によってはなかなかこ
の受容の境地に達するのが難しいのだ
が、ライアンはそれでもかまわないと
言う。大事なのは、両親が理解しよう
と努めている姿を見せることと、最終
的に偏見を乗り越えることだ。
エミリー・バゼロン『ある日、私は
友達をクビになった』
(2013)p.95-6
「男の子のふりをするのは、ほんとうに苦しいんだ。」
 ママは何度かまばたきをした。
 もう一度目をひらいたとき、涙がひとつぶ、ほおをつたい落ちた。
「つらかったわね、ジージー。わかってあげられなくて、ほんとうにごめん。」
 ママはジョージをひきよせると、ぎゅっとだきしめた。
「あなた、ほんとうに自分は女の子だって感じるのね?」
「うん、そうなんだ。小さいとき、ママのスカートをワンピースみたいに着てるのを、見つかったことあったでしょ?」
「ええ。」
「それから、バレリーナになりたいっていったら、スコットが『おまえは男の子なんだからなれるわけないだろ』っておこりだしたの、おぼえてる?」
「チュチュを買ってあげなかったら、あなたがかんしゃくを起こしたのはおぼえてるわ。」
「ママ、おこってる?」
「ああ、ジージー、まさか。」
アレックス・ジーノ『ジョージと秘密のメリッサ』(2015)p.188-9

<アメリカ南部におけるLGBTの権利>

『ロバート・イーズ』(2001)

<英国におけるLGBTの権利>

<フランスにおけるLGBTの権利>

エオニズム(eonism)とは
異性の服装を好むこと。42歳以
降、女装で通した18世紀のフラ
ンスの外交官エオン=ド=ボー
モンにちなむ称。
goo辞書より

『ベルサイユのばら』(1979)

<日本におけるLGBTの権利>

『薔薇の葬列』(1969)

『カランコエの花』(2016)

フジテレビ『保毛尾田保毛男』(2017)

筑波大学学園祭(雙峰祭)で『芸バー』という
企画が開催されたが中止になった(2014)

読売テレビ『かんさい情報ten.』(2019)

テレビ山口『週末ちぐまや家族』(2019)

<タイにおけるLGBTの権利>

<インドネシアにおけるLGBTの権利>

『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』(2018)

人権啓発ショートムービー『りんごの色 ~
LGBTを知っていますか?~』(2019)[約20分]

※このページは、石坂健治、夏目深雪、国際交流基金アジアセンター『躍動する東南アジア映画』(2019)、
遠藤まめた『ひとりひとりの「性」を大切にする社会へ』(2020)、青弓社編集部『「テレビは見ない」というけれど』(2021)を参考にしました。