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行動する女たちの会1

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<行動する女たちの会(1990-1995)>

中外製薬『グロンサンフレッシュ内服液』
(1990)

(女性団体の意見)
女性を"ひと"としてではなく、"人形"というモノとして表現している点が不快(行動する女たちの会)。
(広告主の反論)
カルシウム、骨格、あやつり人形というイメージを表現。あやつる手が女性でもあり、女性差別ではない(中崎敏雄広告部長代理)。
(『日経イベント』(1990年7月号)p.62)

化成バーベイタム『データライフ・プラス』
(1990)

(女性団体の意見)
人間の人格を代表する"顔"に泥を塗っているのが不快。いかにも男性がつくった広告(日本女性学会)。
(広告主の反論)
手で触れても多少よごれても機能を果たすフロッピーディスクであることを表現。力強さを前面に出した。女性差別ではない(後藤隆営業部主任)。
(『日経イベント』(1990年7月号)p.62)

丸井『スイムスーツ(水着)コレクション』
(1990)

(女性団体の意見)
表現の中で意識的に女性モデルの顔を切り捨てている。意図的にモノ化したもの(行動する女性たちの会)。
(広告主の反論)
顔を出せば水着のインパクトが薄れる。女性宣伝部員の意見も聞き、モデルも中性的な女性を起用。慎重に取り組んでいる(川下雄司広報室課長)。
(『日経イベント』(1990年7月号)p.62)

富士ゼロックス『ファックス写楽』(1990)

(女性団体の意見)
女性モデルの顔に文字をのせ、唇を強調している点がいかにも女性の人格を無視していて不快(日本女性学会)。
(広告主の反論)
テレビCMと連動させ、都会でリーダーシップをとりイキイキと生きる現代女性を表現。女性蔑視などとんでもない(岡野雄治広報宣伝部広報課長)。
(『日経イベント』(1990年7月号)p.63)

日立工機(1990)

次の2点について質問した。
1.広告はどういう人々を対象に、何をアピールする意図だったか。
2.今後もシリーズで続けていくのか。
8/20に日立工機よりFAXで回答が来た。女性差別など全く意図していなかった。今後の広告活動の参考にする、というようなあたりさわりのない内容だった。
(行動する女たちの会資料集成 第7巻 p.356)

シャープ『パーソナルワープロ 書院』(1989)

EATの会(平等法推進会議)「直子の代筆」と言うワープロ・ソフトが、シャープの「書院」シリーズのほとんどの機種に採用されているのをご存知でしょうか。
 書院の選択画面から「直子の代筆」を起動させると、ソフトの読み込み中に、「少々お待ち下さい。貴方の直子が文章作成の準備をしています。」という文章が画面右隅に表示されます。ソフトの読み込みが終わると、後は「直子」の質問に答えて行くだけで自動的に文章が作れます。
「直子の代筆」は、文章作成ソフトとしては有用性があるものかも知れませんが、その名称と名称に規定されたソフトの在り方が、少なくとも女性ユーザーの存在を全く無視していることは明らかだろうと思います。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.48)

ヤマト運輸『伝言FAX』(1990)[変更後?]

FAXとハイレグにどんな関連があるわけ?と腹もたった。実は私もこのFAXの利用者で、それ以来利用するたびにこのCFを思い出して不快な気分は上塗りされた。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.49)

日本みかん農協(1990)

頭の部分が完全に画面から切れたハイレグ女性をみかん風?にコラージュし、「袋ごと愛して」のナレーションのCFみかん農協からは音沙汰なし。こちらももちろん返信用封筒を入れたのだが。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.49)

日本交通公社(JTB)と東京郵政局『自遊人II』
のポスターとパンフレットの下半分(1990)

「自由にそれぞれ自分の顔をイメージしてもらえれば」(JTB広報)との意図で、デザインも女性が担当した。
 しかし、複数の女性団体が加盟する「性暴力とたたかう女たちのネットワーク'90」は、先月下旬、「顔がなく、脚を広げた姿態は、男性の性の対象としての『体』をアピールするもので単なるキャッチの手段。宮崎事件にみられるようなゆがんだ性意識にもとづくもので、性暴力を助長する」と文書で抗議。ポスターやパンフレットの撤去と今後、同様の広告をしないことの二点を申し入れた。(中略)ポスター8700枚とパンフレット7万8000部を回収し、新たに風景を中心にした図柄のパンフレットを刷り直した。(読売新聞 1990年2月21日 30面)

浅田飴『パッション』(1989)[2]

「あなたのノドに入りたい。」日本女性学会会員の深沢純子さんがこう「警告」を発する。
「いま『ひどい』と話題になっているのは、南野陽子が『あなたのノドに入りたい』とアップで訴える浅田飴のCM。これは行動の対象になるかもしれません。(週刊文春 1990年3月8日号 p.180)

宮沢りえ ヌード写真集『Santa Fe』(1991)

読売新聞「あの写真集がこんな大騒ぎになるなんて、私もビックリしています。」
行動する女たちの会「その騒ぎの大きなきっかけが、新聞の全面広告ではありませんか?」
読「一部に批判があるのは予想していましたが、10年前と違い、茶の間にヌードがこんなにあふれている時代ですからね。抵抗感も薄れていると思いまして……。」
行「「茶の間にヌードがあふれてる」という点こそ問題なのです。あふれているからいいじゃないかというのでは、新聞社の社会的責任はどうなるのでしょう。マスメディアには性差別の解消に積極的な働きを期待したいのです。それが、今回は結果的に差別を助長する役割を担ってしまったと、私たちは考えます。」
読「これがセクシャルハラスメントかと質問されても…。私の周囲にはまったくありませんし、そんなに大きな問題なんでしょうか? そもそもどんなことをさすのだか……。」
行「……!! では、女子差別撤廃条約というものをご存知ですか?」
読「いえ、存じません。女性差別なんてものが、今も本当にあるんですか。」
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.81)

NHK連続テレビ小説『君の名は』(1991-2)

時代劇・半時代劇には、差別文化がごく自然なかたちで織り込まれ、見過ごされてしまうという点で大きな問題がある。
(加藤 No.283 p.73, 1992)

NHK金曜時代劇『腕におぼえあり』(1992)

夜の8時前後の時間帯というのに、ベッドシーンやら売買春の取引のシーンやら、盛り沢山、というものであった。時代劇なら、セックスも売買春も殺人も描き放題なのである。
(加藤 No.283 p.73, 1992)

NHK『はんさむウーマン』(1991-3)

広範囲にわたって女性の職業人の役割モデルが視聴者に提供されていることは評価される。
(加藤 No.280 p.72, 1992)

1992年1月19日の午後、NHKで放送された
『鍵』(1959)

この映画は原作よりはるかに女性の性的対象物化傾向の激しいもののように私には思われる。
(加藤 No.280 p.73-4, 1992)

オンワード樫山『五大陸』(1992)

電通クリエーティブディレクター加藤文近氏「ショッキング・暴力的といった反応はもしかしたら、というのがあったが、女性蔑視とかレイプ広告といったとらえ方をされるとは気がつかなかった。男性服に女性タレントを起用したのは歌舞伎の女形の感覚で、男として登場しているというアタマがあった。浅野温子の起用も女を売り物にしたタレントではないからだ。」
(中略)普通の感覚でこの写真を見たら「これはやばい」と思うのでは。どこからもクレームがつかなかったのは普通の感覚からかけ離れている。
「今思うとそうだが、やっている時はハイになっている。人と違うものを、驚かせるものを、と思ううちに通常の通念が欠けていく。カメラマンはジョックス・ダージェスと言い、アメリカで評価が高い。撮っているうちによりショッキングにエスカレートしていった。その時は女性が乱暴されているとは思わず、靴を脱いだり砂をかけたり、よりビジュアルにと、言ってみればワルノリしたフシがある。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.164-5)

フジテレビドラマ『もう涙は見せない』(1993)

フジTVの広報担当あてに文書を出したところ、性差別なんてとんでもない、という絵にかいたような性差別企業の"模範解答"が届いた。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.221)

建設省『治水推進ポスター』(1993)

(行動する女たちの会とは無関係)前田都議は即座に同じ社会党都議8人の連名で東京都に抗議。内容は若竹市議の抗議に加え、「スカートの裾のところから水が滴っているのが、あたかもお漏らししているふうに見えて不快だ」と、女性蔑視のデザインであることを強調した。この抗議を受けた東京都はわずか数時間で回収を決定したという。(『週刊SPA』1993年7月14日号)

プリンセス プリンセス解散(1995)

この広告(ポスター)をJR東日本が駅に貼ることを拒否した。その理由は、3年前に女性団体がオンワード樫山の広告「五大陸」へ抗議したことに鑑みて、「縛る」表現に神経質になっているからだというのである。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.360)

サントリー『モルツ』(1995)

男が売り物のサントリーには、女たちよ、不買運動で応えようではないか!!
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.296)

山本さむ『のぞき日記』『痴漢日記』
(1994)に対して抗議した

西武(1995)

3/3のひな祭り、西武デパートが女のはだかを全面広告にした。女の体で人の目を誘い、物を売る。つまり女を観賞の対象、客体におとしめ、主体性を奪うことによって、利益をあげようというのだ。しかも女性にアピールして服を買ってもらおうという趣旨なのだから、わからない。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.303)

『とんねるずの生でダラダラいかせて
巨乳ちゃんゴングショー』(199?)[2]

『ダウンタウンの紅白なんかブッ飛ばせ』(199?)

『ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!』(1993-6)

『スーパーJOCKEY 熱湯コマーシャル』
(1983-99)

『ローバー美々 開脚』(199?)

『野球拳』(199?)

コント55号『裏番組をブッ飛ばせ!! 野球拳』(1969)

堤 由美恵さん(熊本)からのお便り
堤さんが取り上げた日本テレビの人権侵害番組「火曜サスペンス劇場」「服を脱ぐ女性達」「とんねるずの生でダラダラいかせて 巨乳ちゃんゴングショー」「ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ ’94 大晦日スペシャル」「スーパーJOCKY」「どんまい!! ロバ耳美乳製造生実験」。堤さんはこれらの番組に対して、その制作元である日本テレビの小林プロデューサー、日本テレビ制作センターチーフプロデューサー金谷勲夫・民放労連本部放送対策部長片岡朋明に番組企画の意図、社会への影響、今後の方針等について質問と申立を行った。結果は「人権を侵害する意図など全くなく、以前のコント55号がやって視聴率がよかった手法を真似てやった」「ヤサセはやっていない」「(野球拳について)下には水着を着けているので、今はやりのヘアヌード写真などよりは過激ではない」「いじめやセクハラの影響はないと思う」「スポンサーはおしえられない」等々ののらりくらりとした回答と「いえ、ですからね、さっきも申し上げたとおり」云々とつづく不毛の会話。そして紋きり型の「貴重なご意見を反映させ、これからも視聴者サイドにたった番組づくりをめざしたい」という結び。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.326)

日本テレビ『爆発! なべしま部屋』(1992)
の「Tバックじゃんけん」[画像]

テレビ東京『勝ち抜き ヒップでダダーン』
(1992)の「尻相撲」

『上岡龍太郎がズバリ!』(1992-6)の「関西お
立ち台ギャル50人」[ミス・キャンパス50人]

『上岡龍太郎がズバリ!』(1992-6)の
「チカンに怒っている女30人」

番組に登場した「元痴漢」の方々には、その下劣な実態を披露していただき、下劣な論理もうかがえて、大変勉強になりました。しかし、番組全体に責任のあるディレクターおよびホスト役の上岡氏の姿勢には怒髪天を衝く思いです。(中略)「女」は男の欲望のために存在しているものという誤解があります。女性とは性器であり、満員電車で乗り合わせた目の前の「女」は自分の性欲を満足させるための道具なのです。
 「性欲をそそる女」が悪いのだという、おきまりの責任転嫁も随所に見られました。「露出度の高い服を着る女」が悪いなどと。「チカンに怒っている女」50人(原文ママ)は口々に、地味な服を着ていたって、太っていたって、美人でなくたって痴漢にあうと憤慨していましたし、また、ファッションをとやかく言うのは不当だ、電車に乗るために服を選ぶのではなく、電車に乗ってどこかへ出かけるために服を選ぶのだという反論も聞かれました。「痴漢にあったら自分に性的魅力があると思って喜べ」などという痴漢の発言は、怒りで体が震えるくらいタチの悪いものです。迷惑かけている当の相手のせいにするのは、そろそろやめていただきたい。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.350)

エスティ ローダー(1996)

このたび、エスティ・ローダ社から回答がありました。期待はしていなかったけど、やっぱり紋切り型の「貴重なご意見ありがとう」版でした。私たちの質問をかわしながら、この広告はアメリカ本社で製作され世界各国の雑誌に掲載されているとのこと。でも、だからどうなの? 勝手につくって、勝手にばらまいて、世界各地にあるのだから多くの人に「受け入れられている」とほんとうに考えているの?
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.395)

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