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行動する女たちの会

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<行動する女たちの会(1975-1990)>

行動する女が未来を拓く −行動する女たちの会
20年の記録−(ダイジェスト)

TBS『俺たちの時代』(1989)第1話の
女性団体の抗議シーン

サンスター『ニューグリーンサンスター』(1973)

花王『メリットシャンプー』(1973)

口中がくさい(歯みがきのCM)、フケが落ちている(シャンプー)というだけで、男が女から離れていく描写など、まるで女は品物なみ。(杉田マキ 「女」No.1 p.174-5)

ハウス食品工業『シャンメン』(1975)

「私、作る人」「僕、食べる人」国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会が抗議。1ヶ月ほどでCMの放送は中止。

いすゞ自動車『ジェミニ 1600』(1975)

「いい車乗ってる? いい奥さん持ってる?」
持ってる、とはなんですかッ。(週刊朝日1975.10.10 p.129)

TBS『寺内貫太郎一家2 第29話』(1975)
寺内家のお手伝いである相馬美代子が、自分の
部屋で男物のパンツを干していたために、
寺内貫太郎から叱責されるシーン

久世光彦プロデューサー
「あのドラマを、男性上位の暴力ドラマだときめつけられたら、もうなにをかいわんやですね。脚本は女性の向田邦子さん。むろん女性蔑視論者じゃありません。寺内貫太郎は、気はやさしくて力持ち。息子や弟子をぶんなぐるのは彼の愛情の表現のひとつなんです。ドラマを見ればわかると思うんですがね」

ネスカフェ(ネスレ)『ゴールドブレンド』(1972)

「違いがわかる男」
女だってわかりますッ。(週刊朝日1975.10.10 p.129)

AP『アイスランドの女性ストライキ』
(アイスランド, 1975)

『アリスの恋(Alice Doesn't Live
Here Anymore)』(1974)

『アリスは何もしない日(Alice Doesn't
Day)』(アメリカ, 1975)

味の素『ほんだし』(1970s)

「ほんだし女房」
女を家庭にしばりつけようとする男の策謀よッ。(週刊朝日1975.10.10 p.129)

科学技術庁『原子力の日 ポスター』(1978)

大阪府庁と通算局の出先機関に抗議に出かけた。(中略)結局、課長は「個人的にはあのポスターは問題があると思う」といわざるを得なかった。それをとらえて、「それでは、私たちと意見が一致しましたね、配布しませんね」ということになった。(「女」No.12 p.161)

毎日新聞『アサッテ君』(1978)

性に関する通俗的な意識にのって笑いを誘う姿勢や女のおかれている立場への思いやりのなさに対して、さっそく27日に抗議に行って来ました。
(行動する女たちの会資料集成 第5巻 p.326)

桃屋『江戸むらさき 千鳥足篇』
(1979)「お父さんがんばって!」

NHK教育テレビ 英会話II「亭主関白」
(1980 この回ではない。内容は無関係)

あなたは奥さんを完全にコントロールしているんですね。
もちろん! 女房なんてどうにでもなるものです。
奥さんの権利や感情を考えたことは?
そんなこと知ったことじゃない。私に尽くすのが妻の仕事なんですから。昔の人も言っている。女は夫をもって天となし、と。
大山夫人、ご主人は奥様を召使いと思っているようです。
仕方ありませんわ。
(行動する女たちの会資料集成 第1巻 p.155)

世界文化社『ワンダーブック 5月号』(1981)

ワンダーブックの返信。「"家事は、家族全員で分担すべきもの"というご意見は全くその通り。しかし、6月号では"おとうさんのにちようび"というテーマで、いろいろな家事(料理・育児・買い物・洗濯)にいそしむおとうさんが登場しています。あわせて見れば、"家事は家族全員で分担すべきもの"ということを、子どもたちにも理解してもらえる。
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.95)

朝日新聞『フジ三太郎 優生保護法改悪支持』
(1983)行動する女たちの会が抗議

抗議を受けて、朝日新聞『フジ三太郎
優生保護法改悪批判』(1983)

マルマンH&B『禁煙パイポ』(1984)

「私はコレで会社を辞めました」自分の奥さんや同僚を小指で表しますか。こんな品のないことを子どもに教えます?「私の会社は女性や熟年のための健康を増進する商品を一貫して目指している。実は最初、女性の反感があってはマズイと思いOLや年輩の女性もモニターに頼んだが、オモシロイということだった。CM綱領も気にしたが、遅い時間にはヘンなのも多い。抗議は今までなかった。週刊誌などでは大変話題になり、好意的だ。
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.436)

講談社『週刊モーニング』(1984)の車内広告
(アメリカの学生の反応)

「チチも愛読。ハシからハシまで大人のコミック」「これが出来た時、見てどう感じましたか」「私はただ、その時は美しいとだけ……」(我々四人)「エーッ美しい?!これが。これのどこが一体、美しいといえるんですか」(少しとまどいながら)「この…腕の…汗の部分が美しい…と」「ふざけないで下さい。それなら腕だけ写せばいいでしょう」「……」(ハシで乳首をつまんでいるところを指さして)「この部分はどうですか」「そこになりますと美しいとは、言えませんです…」A.B両氏は終始無言。「男性のペニスをハシでつまんでいる同じ様なコピーを見たらどう感じますか。三人順に答えて下さい」A氏「そんなことをする人はいないと思います。醜いと思う」「いないと言うけど実際あなた達は同じことをやっているんですよ」奥田氏「ただもう反省しています。今後はこの様なことの無いよう十分配慮しまして…」
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.369-70)

『フォーカス』の「ドイツ青ざめた母」のブラー
ムス監督に対するインタビュー』(1984)

記事の最後の方に『私はウーマン・リブ運動には反対です』という彼女の「言葉」がのっています。彼女自身の来日以来の言動を追ってみて、どうしてもこの言葉は信じられないので、岩波ホールで『フォーカス』とのインタビューに同席した人にもたずねたところ、彼女はそんなことは言ってないとのこと。
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.377)

<欽ちゃんの爆笑仮装コンテストのバニーガール>

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1984)

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1985)

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1987)

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1988)

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1989)

『欽ちゃんの爆笑仮装コンテスト』(1991)

朝日新聞『マリオン』(1985)の車内広告

「性の商品化だなんて神経質過ぎるんじゃ、女性社員や記者にも見せたが拒否反応はなかった」etc。明るい日射しとさわやかな笑顔にごまかされてしまいそうなポスターだが、男性週刊誌ならばともかく、朝日新聞のマリオンとあっては…。あなたも抗議を!
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.460)

フジテレビ『夕やけにゃんにゃん』(1985-7)
の「ザ・スカウト アイドルを探せ」[1]

NHK総合『さわやかシェイプアップ』
(1985-95)[1]

フジテレビ『オールナイトフジ(深夜番組)』
(1983-91)(女子高生スペシャル 1時間25分)

伊勢丹(1990)

以下は伊勢丹広告宣伝課の土屋氏とのやりとり。
全面広告を不快に思ったので。
黒人モデルですか。
まさか。全体から受ける印象が鳥肌立つようで。ピンク週刊誌の広告かと思った位で、伊勢丹にしてはあまりにセンスがないのでは。文化人類学でも半開きの目や口は欲情をそそるシンボルとしているが、そういったもので人目をひこうとしたのか。
そんな。このモデルはヴォーグにも出ているアメリカのトップモデルで、ウチとしてはそのファッションセンスの高さを出そうとしたわけで。
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.6)

サッポロビール『ティナ』(1988)

10代の少女が上半身ヌード、片手で乳房をおさえ、もう一方の手に缶ジュース。商品の個性化の時代の戦略に企業は四苦八苦している現在、この広告/商品は誰に向けて発せられていると思いますか。この広告が一消費者のあなたにどう映っているか、そしてそれが購買意欲や、企業イメージとどういう関係にあるか伝えてやろうではありませんか。
「不快だ」「買いたくない」のコトバは企業の生命線に振れるはずです。(日本女性学会 第35号 p.9)

<広告ウォッチング・プロジェクト
(日本女性学会 1988-9)>

エイズ予防財団ポスター(1991)

「製作の意図は。」
「性行為による感染で、唯一予防に有効なのはコンドームです。とにかくそれを皆に知ってほしい、ということ。それと海外での接触に注意、との二点で博報堂に依頼しました」
「海外では買春を前提として?」
「買春もあるかもしれませんが、自由恋愛もあるでしょう。」
「外国人差別を感じますが。」
「でも国内での感染も、外国人から、と推定されるのが多いんです」
「ヌードは女性差別では。」
「むしろ女性を守る、ということです。ヌードは無防備さを表現するためで、なぜ女性かと言えば、きれいだからですよ。男のなんか誰も見ねえよ、というのが普通じゃないですか。」
「ポスターへの批判は。」
「特に聞いてないですねえ。どこの国と比べても世界一いいポスター、と言う人もいたくらいです。WHOにも送りました。」
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.79)

テレビ東京系列『まいっちんぐマチコ先生』
(1981-3)

「白紙状態の子どもたちに、大人の歪んだ性意識・性文化を植えつける権利は誰にもない。マスコミの立場と責任を自覚しろ」と主張したが、テレビ東京の制作担当プロデューサーA氏(男性)は「私たちは、子どもたちを解放したいと思っているんですよ。この番組の制作意図というのは、受験競争・校内暴力・核家族化など様々な問題の中で、孤立し、うっ屈した子どもたちを、せめて30分でも解放してあげようというところにあるんです」と主張した。
(行動する女たちの会資料集成 第6巻 p.150)

シチズン『ジャンクション』(1990)

シチズン「ジャンクションは主に10代を対象にした商品。ポスターは東京都内だけに、140~150枚。雑誌に広告を出しました。
(中略)女性の体を手軽に使うメディアに批判があるのはご存知ですか?
博報堂の三上氏と小林氏「ポルノまがいのものと混同して誤解してほしくないし、若い人の見る目を信じています。
 揺れる気持ちやコピーを表現するには、本当は何も着ていない方がいいのですが、そうもいかないので、できるだけ自然に手を胸に当てるというギリギリの線でやっているわけです。」
(行動する女たちの会資料集成 第8巻 p.19)

三楽(現メルシャン)『ローリングK』(1989)[2]

私たち(行動する女たちの会)はこの広告を「レイプを連想させる」と抗議したが、それに対しては「考えもしなかった」。
 ではいったい何でこのモデルは横たわっているのか。「広告とはロジック通り撮るものではない。ただビジュアル的にインパクトをねらっただけ」。
 何を描こうとしているのか。「女性の強さだ。からかいにも負けない毅然とした女を描いた」。
 強い女が、どうして泥にまみれなくちゃいけないのか。「ウーン、これはケンタッキーの土のイメージ………。」爆笑。
 性差別、レイプといった言葉にはあくまで頑なで「そんなつもりはない」の答えしか返ってこない。これは言わば会社への「誠意」なのだろう。
 話し合いも終わり近く、突然テレビカメラが入ってきた。アメリカのフォックスTVと言う。いったい誰が、どういうルートで連絡を取ったのかまったく不明。ともあれ日本の女のドキュメンタリーを撮って全米ネットで流す、とのことでいくつか質問にも答えた。
 (中略)29日、即時撤回とCF中止決定。
(行動する女たちの会資料集成 第7巻 p.267-8)

西武鉄道『西武園プール』広告(1989)

私たちは28日に運輸省記者クラブで記者会見をした。(中略)記者会見の最中、三楽が「ローリングK」ポスターの撤去、CMの中止を決定したとの朗報が入り、私たちは全員有頂天だった。快挙!よし、西武鉄道の方も、!と士気が高まった。
 翌日から、新聞や週刊誌に、抗議のことが掲載されるようになった。
(行動する女たちの会資料集成 第7巻 p.270)

※このページは、『女・エロス(以下「女」と略記 WANミニコミ図書館 https://wan.or.jp/dwan/dantai/detail/46)
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17号』(1973-81)、日本女性学会 第35号(PDF)を参考にしました。
「「百恵チャンも女性の敵」という女権運動の"堂々たる論理"『週刊朝日』(1975年10月10日号)、
中嶋里美、梶谷典子、駒野陽子、田中和子、井上輝子「「関白宣言」どう思いますか?」『婦人問題懇話会会報 No.31』(1979)所収、
三井マリ子、坂本ななえ、中嶋里美『女たちは地球人』(1986)、
三井マリ子「女の人権を否定・侮辱するのも「表現の自由」ですか」『放送レポート No.80』(1986)所収、
深沢純子「ファインダーからのぞくアイドルたち」『マスコミ市民 No.266』(1990)所収、
行動する会記録集編集委員会『行動する女たちが拓いた道』(1999)、行動する女たちの会『ポルノ・ウォッチング』(1990)、
『日経イベント』(1990年7月号)、週刊文春1990年3月8日号、読売新聞1990年2月21日30面、
加藤春恵子「人権とシェイプ・アップ番組」『マスコミ市民 No.271 1991年4月号』所収、
加藤春恵子「性的分業批判・らしさ固定批判・性的対象物批判」『マスコミ市民 No.280 1992年2月号』所収、
加藤春恵子「公共放送と差別文化」『マスコミ市民 No.283 1992年6月号』所収、
高木澄子、中嶋里美『行動する女たちの会資料集成』(2016)、石川弘義、滝島英男『広告からよむ女と男』(2000) 光文社『週刊宝石』(1992年4月30日号)「深夜テレビの「お尻」番組 セクシー場面!」を参考にしました。

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