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実験・効果

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社会的学習の別の影響源は、
テレビや映画その他の視聴覚的展示物
によって提供される非常に多くのまた
様々な象徴モデルである。子どもも大
人もこれらのモデルを見ることによっ
て、態度、情動反応及び複雑な行動パ
ターンを習得することができることを
証明する多くの研究がある。人々が長
い時間、テレビのモデルを見るのに費
やしていることを考える時、マスメデ
ィアが行動や社会的態度の形成に重要
な役割を演じていることがわかるだろ
う。(中略)そのような型の象徴モデル
がますます使用されるにつれて、親、
教師、その他伝統的役割モデルの果た
す役割は、社会的学習において次第に
影が薄くなっていくだろう。
アルバート・バンデュラ
「モデリング過程の分析」
『モデリングの心理学』(1971)所収p.46-7

『デートライン 教室における微妙な性差別』
(画質悪い)[Part 1]

『デートライン』は二日間教室で撮影をし、それから私たちに電話をよこした。プロデューサーはこう言った。「公平な先生じゃありませんか。この先生の授業には性差別のかけらもありません。これでは番組の中で、差別の実態を見せようにも見せられません」。私たちはワシントンのNBCのスタジオに駆けつけ、『デートライン』のスタッフ二人に会った。二人とも学校での差別問題に関心のあるインテリ女性だった。暗くした部屋の床に座って、あの五年生の授業のビデオを観ていた。「何回も繰り返して観ています。あの先生、いい先生ですよ。教え方に差別なんかまったくありません。ほら、観てください」
 20分ほど観てから私たちは、ああいつものケースだなと思った。番組が打ち出している性差別のテーマやビデオに撮られている差別の実態は、どれもこれもお馴染みのものだった。教師も優秀だった。しかし、この先生は受け持ちの子を二分して、その一方の側により強い印象を与えるように振る舞っていた。実際、この教師こそ、私たちがこれまで見てきた女子生徒よりも男子生徒の方を丁寧に教える、あちこちにいる教え方の巧みな、善意に満ちた教師たちの典型的な見本であった。
 私たちは、微妙な性差別とはどのようなものかを知らなければ、差別はなかなか見つけられないものであると説明するのを忘れていたのだ。言うなれば、『デートライン』のスタッフは目隠しされていたのだ。テープを止めて、性差別的な言動部分を指摘し、その部分と私たちの調査実態とを結びつけて説明し、再びテープを回した。人々がやっと「わかって」くると、「ああ、そうか」という周知の教育効果が現れる。無意識の差別が潜んでいる授業の内実を一度理解すれば、事情を知った観察者の目には教室は別物に映ってくるのだ。
マイラ&デイヴィッド・サドカー『「女の子」は学校でつくられる』(1994)p.20-1
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↓↓真ん中の印を見続けてください。↓↓

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チップ・ハース、ダン・ハース『アイデアの
ちから』(2007)成功するアイデアを作るため
のチェックリストは「単純明快」「意外性が
ある」「具体的」「信頼性がある」「感情に
訴える物語」

日本で興る新しい産業や企業
は、「当初は、どうでもよいと思われ
無視されていたようなもの」が多い。
ソフトバンクもテレビゲーム会社も、
かつては既存勢力の目の届かない「ど
うでもよい企業」であったし、また携
帯コンテンツ・プロバイダーや、楽天
のようなEコマース、マンガやアニメ
もこれにあたる。
海部美知『パラダイス鎖国』(2008)p.88
小さな勝利
 新しいアイデア、戦略、あるいはプロジェクトの開発に、これまで紹介した方法を活用するようになると、組織心理学者のカール・ワイクが言う「小さな勝利」につながっていく。
 ワイクは小さな勝利を、「具体的かつ完成していて、実施済みのそこそこ重要な結果」と定義している。小さな勝利は、進行中の開発プロセスから生まれる小さな成功の数々であり、絶えずその成功を監視していることが重要である。クリス・ロックのジョークは爆笑の渦を呼ぶこともあるが、好意的反応は、声にならないクスクス笑いの合唱という形で現れることのほうが多い。これが小さな勝利である。なぜならロックはそのとき、うまいジョークの種になるテーマを見つけ、それを積み上げていけばよいと知っていたからだ。小さな勝利は、不確実性の中にある前進を助ける足場のようなものである。それは、サラス・サラスバティー教授がランドマークと呼ぶものの役目を担い、われわれが正しい方向に向かっていることを確認し、あるいは回転軸となって、われわれが道筋を変える方法を教えてくれる。
 ワイクがアメリカン・サイコロジスト誌の1984年1月号に発表して高い評価を得た「小さな勝利」を解説した論文(PDF)で、彼はアルコール依存症患者が1回に1日ずつ、あるいは1時間ずつでもアルコールを断つことが、禁酒にとっていかに有効であるかを例として使った。断酒期間をつなげていくことが、アルコール依存症患者が禁酒の効果を感じるのを助け、達成可能な感覚を高める。小さな勝利の利点を説明する際、ワイクがこう書いている。
「ひとつ小さな勝利を達成すると、もうひとつの小さな勝利を導く力が働き始める」
ピーター・シムズ『小さく賭けろ!』(2011)p.229-30
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