ホーム > フローと二面性

フローと二面性

1 / 5 1 2 3 4 5
  • profile-picture36
  • profile-picture37
給料が少ないほうを選べ
自分が望むところではなく、自
分が必要とされるところを選べ
昇進のチャンスがほと
んどないところを選べ
すべて条件がそろっているとこ
ろは避けて、イチからはじめね
ばならない荒れ地を選べ
先を争って人が集まるところに
は絶対に行くな。だれも行かな
いところに行け
将来性がまったくないと思われ
るところに行け
社会的な尊敬が期待できないと
ころに行け
まんなかではなく、はじに行け
両親や配偶者、婚約者が命がけ
で反対するところならまちがい
なし。迷わず行け
王冠ではなく断頭台が待つとこ
ろに行け
キム・ナンド『つらいか
ら青春だ』
(2010)p.28
フローとは
1つの活動に深く没入しているので他の
何ものも問題とならなくなる状態、そ
の経験それ自体が非常に楽しいので、
純粋にそれをするということのために
多くの時間や労力を費やすような状態
ミハイ・チクセントミハイ
『フロー体験 喜びの現象学』(1990)p.5
「最初のペンギン」とは、
氷雪のうえで集団行動するペンギ
ンの群れの中から、エサを確保す
るために天敵がいるかもしれない
海へ最初に飛び込む、一羽の勇気
あるペンギンを指した言葉です。
水中に飛び込むそぶりを見せなが
らも、ペンギンたちはなかなか飛
び込まない。そろそろ飛び込むの
かと思っても躊躇してやめてしま
う。まるでお互いに、「お先にど
うぞ」とばかりに譲り合っている。
茂木健一郎『「いい人」をやめ
る脳の習慣』
(2018)p.102
同じころ、書店では『ジョイ・ラック・クラブ』『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』『キルトに綴る愛』といった本が売れていた。どれも力を合わせる女性たちを描いて一つの社会的モデルを提示した小説だ。集まって打ち明け話をする。人生経験を分かち合う。しかし、男同士が人生経験を共有する新しい社会的モデルを提示している小説は一つも見当たらなかった。 チャック・パラニューク『ファイト・クラブ』(1996)p.308-9
フロイトの用語で言うと、わ
たしたちはそれぞれ、暗い自己である
イド、すなわち超自我から支配権を奪
いとれる野獣を住まわせている。だか
ら、感じのいい親切な隣人が、運転中
にキレてセミトレーラーに車をぶつけ
たり、10代の若者が銃をつかんで友
だちを撃ったり、聖職者が少年をレイ
プしたり、といったことが起こる。ほ
かの点ではまともなこの人たちは、自
分のことならわかっていると思いこん
でいる。ところが、激情の真っただ中
にいると、なんらかの内なるスイッチ
がはいってすべてが一変する。バーク
レーでの実験は、だれもがジキルとハ
イドだというような、よくある話だけ
ではなく、もっと新しいことをあきら
かにした。わたしたちはみんな、いか
に「いい」人であろうと、情熱が自分
の行動におよぼす影響を甘く見ている
。わたしたちの実験の協力者は、すべ
てにおいて判断を誤った。もっとも聡
明で合理的な人でも、情熱のただ中で
は、自分が思っている自分とは完全に
すっぱりと切りはなされてしまうよう
だ。しかも、ただ自分について誤った
予想をするというだけでなく、その誤
りの程度が甚だしい。
ダン・アリエリー
『予想どおりに不合理』(2008)p.178-9
1 / 5 1 2 3 4 5