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白い黒人(黒い白人)

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ヒップとスクエア(白い黒人)

  • ヒップ
  • 黒人(「ニグロ」)
  • ニヒリスティック
  • 自我
  • 肉体
  • ドストエフスキー
  • コールガール
  • 無政府主義者
  • マリファナ
  • スクエア
  • 白人
  • 権威主義
  • 社会
  • 精神
  • トルストイ
  • 精神分析医
  • 社会主義者
  • 救済
  • アルコール
ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター
『反逆の神話』(2004)p.223-4

管理者が選んだ上記以外の違い

  • 野生的
  • ロマンチック
  • 本能
  • 帰納的
  • 関係
  • 自然発生的
  • つむじ曲がり
  • 夜半
  • 連想的
  • 問い
  • 悪漢
  • 自由意志
  • 聖人
  • セックス
  • 反逆者
  • 子ども
  • 弁証法的
  • 野蛮人
  • 私生
  • ピカソ
  • 疑問
  • 優雅
  • 殺人
  • 精神病的
  • 殺人か同性愛
  • マリファナ
  • モーターサイクル
  • 偵察
  • ニュアンス
  • 実際的
  • クラシック
  • 論理
  • プログラマチック
  • 名前
  • 秩序正しい
  • 敬虔な
  • 正午
  • 連続的
  • 答え
  • 警官
  • 決定論
  • 牧師
  • 宗教
  • 規制者
  • 裁判官
  • 線的
  • ボヘミアン
  • 堕胎
  • モンドリアン
  • 信仰
  • 自殺
  • 早発性痴呆症的
  • スクーター
  • ガイド付きの旅行
  • 事実

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』
(2013-9)のパイパー・チャップマン

家族とほんの数人の友人は私
の状況について本気で心配してくれた
ものの、私のような"良家の子女であ
るブロンドの女性"が刑務所に送られ
ることはないだろうと考えていた。
でも、弁護士の意見はちがった。連
邦裁判所による私に対する共謀罪で
の起訴は、私の元恋人の麻薬の密輸
の失敗に端を発していた。
パイパー・カーマン『オレンジ・イズ
・ニュー・ブラック』
(2010)p.33

映画における通過儀礼

『ローマの休日』(1953)における門

『スタンド・バイ・ミー』(1986)における橋

白い黒人(男性)

『ミスター・ソウルマン』(1986)の
マーク・ワトソン

『ショーシャンクの空に』(1994)の
アンディ・デュフレーン

『アメリカン・ヒストリーX』(1998)の
デレク・ヴィンヤード

『バタフライ・エフェクト』(2004)のエヴァン

『ヘイト・ユー・ギブ』(2018)のクリス

白い黒人(女性)

『ゴーン・ガール』(2012)の
エイミー・エリオット・ダン

『スプリング・ブレイカーズ』(2012)の
4人の女子大学生

『ゲット・アウト』(2017)の
ローズ・アーミテージ

『シンプル・フェイバー』(2018)の
エミリー・ネルソン

黒い白人(男性)

『ゲット・アウト』(2017)の
クリス・ワシントン

黒い白人(女性)

『ヘイト・ユー・ギブ』(2018)の
スター・カーター

「(トゥ-管理者注)パックは、
Thug Lifeってのは、"The Hate U
Give Little Infants Fucks
Everybody"<子どもに植えつけた憎
しみが社会に牙をむく>の略だと言っ
てるんだ」
 眉を吊りあげる。「え、なに?」
「だから! The Hate U 、Uはアルファ
ベットのU、Give Little Infants Fucks
Everybody、頭文字を取って、T-H-U-
G L-I-F-Eだよ。つまり、おれたちが
ガキのころ社会に植えつけられた憎し
みが、やがて噴きだして、社会に復讐
するって意味だ。わかったか?」---
「ドラッグはどこかよそからやって来て、おれたちの町を破壊しちまうんだよ。ドラッグ
がないと生きていけない、ブレンダみたいな人間や、生きるためにドラッグを売る、カリ
ルみたいな人間を、大勢生みだすんだ。ブレンダのほうは、ドラッグを断たないかぎり、
仕事になんかつけねえが、仕事につかないかぎり、リハビリ施設に入る金も払えねえとき
てる。カリルのほうは、パクられて、一生のほとんどをブタ箱ですごすはめになるか、出
てこられても、まっとうな仕事なんか見つからねえから、ドラッグの売人に逆もどりする
ことになる。それが、おれたちが植えつけられた憎しみ、おれたちに押しつけられたシス
テムだ。"Thug Life"ってのはそういうことなんだよ。
アンジー・トーマス『ザ・ヘイト
・ユー・ギヴ』
(2017)p.22,183
Catch-22とは
(どうもがいても)動きがとれない矛盾(した状況)、ジレンマ的な状態
Weblio辞書より
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スディール・ヴェンカテッシュ

「あの人らはだいたいロバート・テイラーで育ったり家族があの団地に住んで
たりする人らなんだよ。中流の人らはだいたい自分じゃ言いたがらないけど、団地の出なのさ。
自分の生まれのことなんかみんな簡単に忘れてしまうんだよ。でもあたしはそういう人らに、
あんたらも昔はあたしらとおんなじだっただろって思い出させようとしてるのさ。
で、あの人らも年に何回か、正しいことをするってわけよ」。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.206
1989年、教鞭を取り始めた頃、調査員6人をシカゴ周辺の新車ディーラーに送り
出し、ディーラーが女性や少数民族を差別するか確かめた。車の値段交渉についての共通のマニ
ュアルに各調査員が従うように訓練した。可能性の高そうな質問に対しては想定問答集まで作っ
た(答えにくければ「すみませんが答えたくありません」というものまで)。調査員たちは行動
も話し方も同じだった。そして人種と性別以外の考え得るあらゆる点で同じだった。調査員の
半数は白人男性で、残りは女性か黒人だった。古典的な住宅割り当て試験と同じで、女性や少
数民族が白人男性とちがった扱いを受けるかどうか知りたかったのだ。
 そして受けた。価格から原価をさしひいたディーラーの利益の部分でみると白人女性は白人
男性より4割も高く払わされた。黒人男性は2倍以上高く払わされたし、黒人女性は白人男性
の3倍以上を払わされた。調査員たちは、系統的に自分と同じ人種と性別の営業担当者にまわ
された(そして不利な条件を与えられた)。
 この調査が『Harvard Law Review』で発表される、とかなり報道された。テレビ番組
『プライムタイム・ライブ』は、車の販売以外の各種小売店で女性や少数民族が平等の扱いを
受けるか試したエピソードを3回も放映した。多くの人は、他に客がだれもいないのに黒人客
をひたすら待たせる靴屋の映像に怒りをおぼえた。もっと重要なこととして、この研究は小売
業を掛け値なしの売買に向かわせるにあたり、ちょっとした貢献をしたのだった。
 私の研究の数年後に、自家用車のサターンが同社の無差別方針を主題としたテレビコマーシ
ャルを流し始めた。それは白黒写真の連続だけでできたコマーシャルだ。ナレーションでは黒
人男性が、車を買って帰った父親の思い出を語る。父親は自分が不当な扱いを受けたとこぼし
ていた。そしてナレーターは、そんなことがあったからサターンの営業マンになった自分は気
分がいいのかもしれない、と語る。これは見事なレトリックだ。厳しい写真映像には、自動車
広告にはつきものの笑顔が出てこない。父親が人種のせいで不当な扱いを受けたと認識した子
供の傷ついた写真があり、そしていまや差別しない営業マンとなった、生真面目そうな成人男
性の誇らしげな写真が出てくる。コマーシャルは、サターンの値引きなし方針をはっきりとは
言わない-だが父親の不当な扱いが人種のせいだと気がつかない視聴者はほとんどいないだろう。
イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』(2007)p.177-9
ぼくは廊下の向こう側へ歩いていって、ウィリアム・ジュリアス・ウィルソンの部屋の扉を叩いたのだ。ウィルソンはこの分野を研究している人として、生きている中では一番優れた学者であり、社会学の世界で一番有名なアフリカ系アメリカ人だ。シカゴ大学で20年近くも教えている。彼が出した二冊の本は、学者や政治家が都会の貧困層を見る目を変えた。
 ウィルソンを捕まえられたのは運がよかった。もうすぐ長期研究休暇でパリへ行くところだったのだ。でも同時に、彼は新しく研究プロジェクトを立ち上げるから、よかったら加わらないかと言ってくれた。
 ウィルソンは静かに物思いにふける人だ。その日はダークブルーのスーツを着ていた。トレードマークになったパイプを吸うのはずいぶん前に止めていたけれど、それでも、映画に出てきそうなタイプの教授だった。なにか質問をすると、深みのある答えが返ってくる。でもその前に、よく、気後れするぐらい長い沈黙が続く。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.5
「街の中にまた街があって、オレらはその1つに住んでるんだよ」
と彼は言う。「あいつらにはあいつらの街があるし、オレらにはオレらの街がある。それが変
わることはぜったいにないって思ったら、シカゴのことがわかり始めたってことだな」。
 「白人と黒人は仲良くできないってことですか?」とぼくは尋ねた。
 チャーリー・バトラーという人が割り込んだ。「この街には2種類の白人がいる」と彼は言う。
「で、黒人も2種類だ。家の周りでオレらを見かけたら殴りに来る白人がいる。ブリッジポート
やサウスウェストサイドに住んでるやつらだな。それからもう1種類、オレらを歓迎しちゃくれ
ないやつらがいる。家の周りでオレらを見かけたら警官を呼ぶ類だな。おまえが住んでるハイド
パークの連中だよ。で、警官がオレらを殴るんだ」。
 チャーリーは引退するまでは工場で働いていた。筋肉の付いた腕には彫り物がある、でっぷり
した人だ。大昔はフットボールで大学のスターだった。ときどき、ハイドパークにある、黒人た
ちが集まる店の1つに朝ごはんか昼ごはんを食べにやってきた。でも、彼は日暮れまでには帰る
し、住宅街は歩かないと言っていた。警官がつけてくるからだ。
「黒人のほうはどうなんですか?」と聞いてみた。
「まず、おまえが住んでるところ(シカゴ大学)に住むにはどうしたらいいかって無駄にジタバタ
してる連中がいるよなあ」とチャーリーは続けた。「なんでかなんて聞かんでくれ。それから、
そんなことやっても無駄だってわかってる黒人の連中が山ほどいるだろ。オレらがそうだな。
オレらはなんとか生きていくのに必死で、このあたりに住んでる。あんまりいいところじゃな
いけど、まあケツ蹴られることはないな。少なくとも警官には」。
 「黒人はこの街に来てからずっとそんな調子なんだよ」とオールド・タイム。
「で、これからもずっとそうだ」。
 「それじゃ、白人の友だちは1人もいないんですか?」とぼく。
 「おまえには黒人の友だちがいるか?」
オールド・タイムは意地悪い笑いを浮かべてそう聞いた。
答える必要はなかった。「教授に聞いてみなよ、先生には黒人の友だちはいますかって」。
決まったなって顔だ。---
「ニガーってのはこういうとこ(プロジェクト)に住んでるやつらのことだ」。
彼(JT)がやっと口を開いた。「アフリカ系アメリカ人ってのは郊外に住んでるやつらだな。
アフリカ系アメリカ人はネクタイ締めて仕事に行く。ニガーは仕事なんかもらえない」。---
 JTの生活を詳しく知るのにはそれから数年かかるのだけれど、つるむようになってから最初の
数週間で、けっこういろいろ喋ってくれた。この界隈で育ったこと、それからスポーツ系の奨学
金で大学へ行ったこと、歴史や政治の本を読むのが好きだったこと。大学を卒業してから、シカ
ゴのダウンタウンにある中規模の会社で、オフィス用品と産業織物の営業の仕事についたこと。
でも、そこではあまり成功できないと思った。黒人だからだった。自分より仕事のできない白人
の連中が自分よりも先に昇進するのを見て、彼は怒った。
2年で表の世界を離れ、団地とギャングの世界へ帰ってきた。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.8-10,21,35
「救急車呼んでないんですか?」
「OK、それじゃ頼まれてくれるかい」と彼女。「Cノートに、ロビーにいる連中に彼女を病院
に連れて行くように言ってくれって頼んできて」。
「救急車はどうなったんですか?」
「いや、あのねぼうや」とベイリーさんが穏やかな口調で言った。
「あいつらぜったい来ないんだよ」。
 彼女を信じたものかどうかわからなかった。でも、ぼくが来てから15分は経つというのに
、救急車は来ていない。プロヴィデント病院からたった2マイルなのに。---
「ベイリーさん、そこのところをぜひ伺いたかったんです。
ほんとに警察を呼んだんですか? 救急車は?」
「スディール、そこが中流の白人のみなさんにはなかなかわからないんだよ。
なんであの連中はあたしらが呼んでも来ないかってことがね」。
 ベイリーさんはぼくのことをほんとに白人だと思ってるわけじゃないんだけど、彼女はい
つも、中流出身のぼくに団地の生活がどんなものか、そう言って教えてくれようとするのだ。
「あいつらはいつも来ないんだよ。だからあたしたちは自分でなんとかできないか考えない
といけない。これ以上なんて言って説明すればいいのかわからないよ。
これからもう何ヶ月か注意して見てたらどうだい?
あいつらがどれぐらいやってくるもんか見てみればいいじゃないか」。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.226,245-6
「あんた、法廷侮辱罪ってどういうことかわかってんの?」
 ぼくが答えないでいると、ベイリーさんはあきれ果てて首を振った。
こんな光景は前にも見た。
こんなもの知らずがいったいどうやって進学なんてできたんだろうって
不思議に思っているのだ。
 「この辺のニガーなら誰だって、2つに1つだって知ってるよ」と彼女。
「ゲロするか、クック郡刑務所かのどっちかだ」。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.254
「てめえはわかってた。ああわかってたとも。でもてめえ
は自分の都合ばっかり考えてたんだ。そういうことだ。てめえはてめえ
の先生らに持ってくクソが拾えて舞い上がってたんだよ。
てめえはそこまでバカ正直じゃねえよ」。
「すまないCノート。ほかになんて言っていいのか
わからない。ヘタうった」。
「ああてめえはヘタうったよ。なんで自分がこういう調査やってんのかよ
く考えてみろ。てめえ、いつもオレらを助けたいなんて言いやがってよ。
ほう、オレらはてめえに助けてくれなんて言った覚えはねえぞ。で、てめ
えの助けなんざもちろんいらねえ、これでよくわかったよ」。
スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)p.278
メイは今やルイジアナ州クリン
トン、バーモント州パットニーだけで
なく、トルコのマーマリスやメルボル
ンやグラスゴー、京都に顧客がいた。
デイヴ・エガーズ
『ザ・サークル』 (2013)p.62
グーグルの採用基準にはエリート主義的な一面もあった。たとえば、設立当初から学歴を重視し、出身校で候補者を分類している。ペイジの言葉を借りれば「僕らは自分たちのような社員を採用した」ということになる。つまり、恵まれた環境で育ち、頭が良くて努力家で、SAT(大学進学適正試験)では高得点を取り、学校の成績も優秀で、最高レベルの大学に入れるほど素晴らしいエッセイを書く能力がある-そんな若者たちだ。だからスタンフォード、カリフォルニア大学バークレー校、ワシントン大学、MITを含む限られた有名大学の出身者を採用する傾向が強かった。例外がないわけではなかったが、一部のグーグル社員がいだく近親交配的側面への懸念を取り除くほどではなかった。
「このままではグループシンク(集団思考)による弊害が心配だ」と初期入社組のダグ・エドワーズは警告している。「同じような学歴をもち、同じような意見をもつ人材ばかりになってしまう。もう少し違った要素を混入する必要がある」
スティーブン・レヴィ『グーグル ネット覇者の真実』(2011)p.212
僕たちは市営の団地にようやく
身を落ちつけました。近所の湯谷小学
校という学校に転入しました。初めて
クラスに入ったときの自己紹介では、
自分が中国人であることを話しました
。中国から来たことを言うと、いじめ
られたり後ろ指を指されたりするかも
しれないと心配はありましたが、隠し
たくはありませんでした。オリンピッ
クを翌年に控えた長野だったので、他
にも外国人がいたのですが、日本人の
欧米人と中国人に対する態度、反応の
違いは肌で感じていました。大人も子
供も、英語はカッコイイ、中国語はカ
ッコワルイというような意識をもって
いるように思えました。中国人だから
こんなこともわからないんだと言われ
ることもありました。当時、僕と同じ
ように、幼いときに中国から日本に来
た人の中には、周りから後ろ指を指さ
れるのが嫌で、中国語を話さなくなる
子が少なからずいました。その結果、
時間が経つと中国語を本当に話せなく
なってしまうのです。僕は中国で生ま
れ育ったことを隠すことは絶対にしま
せんでした。子供ながらに中国で生ま
れ育ったことを恥じることなく、それ
を含めて自分自身だと主張したかった
のだと思います。当時は言葉こそ知ら
なかったものの、間違いなく自分のア
イデンティティをしっかり持っていま
した。中国に生まれ、育ったことを否
定するのは自分を否定することだと考
えていました。それよりむしろ、言語
を2つも話せるのだから、誇らしいこ
とだと思っていました。母がくれた『
石磊』という名がこの強い精神をくれ
たのかもしれません。
野村達雄『ど田舎うまれ、
ポケモンGOをつくる』
(2017)p.41-2

※このページは、スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』(2008)を参考にしました。

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