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男性の育児(休暇)

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アン・マリー・スローター『私たちは「すべて
を手に入れられる」か?』(2014)

『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)
の結婚と子どもについて

トヨタ自動車『新ラクティス イクメンに
質問篇』(2010)

日産自動車『新ラフェスタ イケダン
公園篇』(2011)

日産自動車『新ラフェスタ イケダン
送り迎え篇』(2011)

日産自動車『新ラフェスタ イケダン
ショッピング篇』(2011)

ライオン『ソフラン 主夫、はじめました篇』
(2015)

ファザーリング・ジャパン『イクボス企業
同盟』(2019)

イクボスプロジェクト『短時間勤務の部下編』

イクボスプロジェクト『保育園の呼び出し編』

イクボスプロジェクト『男性の育休相談編』

田中俊之『男の生き方が変わらなければ
日本は何も変わらない』(2016)

『40歳からの家族ケーカク』(2012)の
トイレシーン

「トイレに入るのは、今日これで4回目よ」
「逃避本能丸出しね?」
「誰が逃避なんか。排泄本能に従っているだけだ」
「じゃあなんでにおわないの?」
「ケツにミントを突っ込んだのさ」
「エンターキーを押すなよ!」「まだ考え中だ!」(ダン p.55-6)

エドワード・トロニック『無表情実験』

シンプルな、たった2分の実験動画だが、これを見るのはとても辛い。赤ちゃんはまず混乱し、ママやパパに手を伸ばし、必死になって彼らの注意を引こうとする。そして悲しそうに、まるで希望を失ったかのような表情で顔を背け、そしてまた注意を引こうとし、徐々に神経質になり、狼狽し、ついには完全にパニック状態となって泣き出すのだ。この実験、大人だったらどうなるのだろうか?(ダン p.178)

アリエール インド『なぜ洗濯はママだけ
の仕事なんだろう』(2016)

私のかわいい娘よ。立派に成長してくれた。昔はお人形の家で遊んでいた君も、今となっては自分の家を切り盛りするまでになった。それに仕事もきちんとしている。誇りに思っているよ。そして、こころから気の毒に思うんだ。この仕事を一人きりでしなければならないなんて。人形のおうちで遊んでいる時に、お前を止めなくてごめんよ。お前一人の仕事ではない、夫も一緒にすべきと言わなかったことを許してくれ(カメラはテレビの前でくつろぐ夫を映す)。でも、私自身がお母さんを一切手伝わなかったというのに、何を言えるというんだ? お前は見たままを学んでしまったのだ……。でも、何ごとも遅すぎることはない。私は今からお母さんを助けて家事をやってみようと思う。キッチンの王様にはなれないとは思うけれど、少なくとも洗濯は手伝うことができる。(スーツケースから服を取りだし洗濯機まで運ぶ男性、驚いた顔で妻が見つめる)。今までずっと、私が間違っていた。正すなら今だ。
このシーンから先の、最後のキャッチフレーズを見ることができなかった(「なぜ洗濯はママだけの仕事なんだろう?」Why is laundry only a mother's job?)。号泣していたからだ。(ダン p.373-4)

プロゴルファーのハンター・マハン(2013)

PGAトーナメントの試合から離脱した。妊娠中の妻が1ヶ月の早産のために運び込まれ、ダラス病院に急いだのだ。ある意味、普通の選択をしたと言えるマハンは、娘の誕生に立ち会うために、100万ドルの賞金を獲得するチャンスを棒に振った。(ダン p.371)

野球選手のアダム・ラローシュ(2016)

息子を試合前の練習に連れてきてはならないとマネージャーに言われ、1300万ドルの契約を破棄することを決めた。直後に引退したラローシュは、「ひとつだけ確実なことがあります。子どもと一緒の時間を過ごさずにいれば、後悔するでしょう。その逆はありません」。ラローシュは、仲間のプロのスポーツ選手たちから、ハッシュタグ#FamilyFirst(家族が一番)を使ったツイートで賞賛を浴びた。(ダン p.371-2)

『恋人たちの予感』(1988)の飛行機での会話

最初から分業を確立するほうが好ましい。ちょうど映画『恋人たちの予感』の中の会話のように。
ハリー:君は空港まで見送りに来てもらったんだろ。これが君たちの関係の始まりってわけだ。だからボクは、付き合い始めたばかりの相手は絶対に空港まで送ってやらないのさ。
サリー:どうして?
ハリー:どんなことだって、やがては変わるものだよ。空港まで見送りに行かないことだってあるじゃないか。そのときになって「どうしてもう送ってくれないの?」なんて言われたくないからね。(サンドバーグ p.164-5)

『Gloria Steinem on Progress and
Women's Rights』(2012)

「いまでは、男にできることは女にもできるとわかっている。だが、女にできることは男にもできると、まだ理解されていない」。それを理解することは可能だし、「女にできることは男にもできる」ことを証明するチャンスをもっと男性に与えるべきだと私は思う。
「すべてをやってのけるなんて、無理。フルタイムの仕事を二つこなせる人は一人もいない。仕事をし、子育てをして、三度三度の食事を手作りする......そんなスーパーウーマンは、女性解放運動の敵と言わざるを得ない」(サンドバーグ p.169,174)

シェリル・サンドバーグ『何故女性のリーダー
は少ないのか』(2011)

2010年の12月、私はTEDの出番を待っていた。パーレー・メディアセンターのCEOパット・ミッチェルがそばにいてくれる。その前日、娘を保育園に送り届けたとき、今日は東海岸へ行かなければならないからママは今晩いないの、いい子にしててね、と言い聞かせた。娘は私の足にしがみつき、行かないで、と泣いた。そのことがどうしても忘れられない。いよいよ出番というときに、この話をスピーチに付け加えたほうがいいかしら、とパットに訊いてみた。「絶対話すべきよ」とパット。「大勢の人がそういう経験をしている。あなたにとってもこれがつらい体験だということを率直に話せば、みんな気が楽になるわ」(サンドバーグ p.195)

『Gloria: In Her Own Words』(2011)

グロリア・スタイネムが街頭で闘った結果、いま私たちはあたりまえのように多くの機会を享受している。グロリアは、自分たちの前に街頭運動を繰り広げたスーザン・アンソニーを引き合いに出して、こう言う。「私たちの仕事は、若い女性に感謝されてはいけない。まだまだ足りないと思うからこそ、闘いは続く」。たしかに。私たちは先行世代の成果に感謝すべきではあるが、現状に満足すべきではない。現状への不満が改革への意欲につながる。私たちは進みつづけなければならない。(サンドバーグ p.239)

スーザン・B・アンソニー自伝

キャデラックのスーパーボウルのCM(2014)

「ほかの国では、人々は働き、家に帰り、カフェに寄り、8月いっぱい休みを取る。そう、休むんだ。どうして私たちは違うんだろう? どうしてみんなと同じじゃないんだ? それは私たちがやる気に満ちていて、必死に働くのが好きだからだ」。(中略)このCMを見た私は、怒り狂った。その男があまりにも安っぽくて、現実離れしていたからだ。アメリカ人がこれまで大切に守り、子供たちに渡そうとしてきた本物の価値観とあまりにかけ離れていた。(スローター p.85)

『World's Toughest Job』(2014)

「業務部長」の採用面接の場面を捉えた動画だった。この仕事は、勤務時間が長く、休暇もなく、ランチを取ることも、ときには眠ることも許されず、「優れた交渉力と対人スキル」が必要とされる職種だった。しかも無給だという。それを聞いた応募者は口々に吠えたてた。「人道的に問題ありでしょ!」「狂ってる!」すると最後に面接官が、実際にこの仕事をしている人が存在すると明かす。しかも、何十億人もいるという。「母親」だ。すると応募者は笑い、自分の母親に感謝する。
 表ではこんな風に母親を褒めたたえるが、その陰には深い欺瞞がある。(スローター p.135-6)

野球選手のダニエル・マーフィー(2014)

赤ちゃんが生まれた直後に3日間育児休暇を取ったことを批判された。記者にそのことを聞かれたマーフィーは、恥じる様子もなく、夜中にオムツを取り換えた話をしていた。(スローター p.150)

キンバリークラーク『ハギーズ』(2012)

父親が自宅で赤ちゃんをお世話するCMだ。スポンサーはこれなら女性にも男性にも受けると考えたのだろう。CMには少し偉そうな口調の女性のナレーションが入る。「ハギーズのオムツとお尻拭きならどんなときでも大丈夫。私たちは世界一難しいテストに挑戦してみました。パパが独りで、おうちで5日間、赤ちゃんのお世話をします。その間、ママたちは待ちに待ったお休みタイム。ハギーズはパパたちの役に立ったかしら?」
 多くの父親が、このCMにかんかんになった。父親が不器用だと決めつけていたからだ。(スローター p.150)

プロクター・アンド・ギャンブル『ありが
とう、ママ』(2012-18)

2012年に開催された夏季オリンピックの期間中、P&G社は有名オリンピック選手の幼年時代を振り返るシリーズ広告を展開。そのキャッチコピーは「ありがとう、ママ」だった。父親の果たす役割の方が重要だという固定観念が根強いスポーツの世界でさえも、そのことが忘れられているのだ。(レイバーン p.19)

シボレーのワールドシリーズのCM(2013)

物質的な豊かさよりも家族の大切さを男性が語るCMを流した。息子を車に乗せる父親の姿が映し出され、「就業時間より大切なことがある。学校に間に合うように子供を送り届けること」というナレーションが入る。そしてこう付け加える。「役員室よりキッチンがいい」。(スローター p.151)

ユニリーバ『男性用ダヴ』(2015)

ハイチェアに座った幼児から、結婚式で踊る青年まで、さまざまな年齢の子供たちが父親に呼びかけた。このCMは、「強い男とは?」と問い、「思いやりを形にできる人」と答えるものだった。(スローター p.151)

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015)

主人公はスポーツ万能でハンサムな億万長者で、家と飛行機と車と高価な洋服でいっぱいのクローゼットを持ち、遊び部屋で彼女を調教する。彼はすべての面倒を見てくれる。(中略)この3部作と映画のファンは圧倒的に女性だろう。だが、ファンの周りの男性がその余波を感じないはずはない。(スローター p.177)

『House Husbands』(オーストラリア
2012-7)

オーストラリアではテレビで「ハウスハズバンド」というコメディが大ヒットしたらしいです。男の子育て奮闘記に共感する人が多くて、でもって、まだドラマになるぐらいの新しさはあるんでしょうね。ニュースでも「孤立しがちな男性の育児をどうネットワーク化していくか」という特集があったり。日本に比べれば、ジェンダー的な垣根がだいぶ低いのだと思います。
平日のショッピングモールにベビーカーを押した男性が普通にいます。だからスーパーで買い物している夫も、まるで浮かないです。共働き家庭も多いし、失業保険も手厚いので、失業したり、転職したいとき、主夫をしながら次に備えるという男の人がけっこうな数いるらしいのです。(小島、田中 p.140)

阿部寛さんが主夫を演じた『アットホーム・
ダッド』(2004)の「愛しても愛し足りない」

三菱UFJ銀行は男性行員に育休1ヶ月義務付け
(2019)

積水ハウスは男性社員全員が育休1ヶ月を
取得した(2020)

Forbes Japan『#もっと一緒にいたかった
男性育休100%プロジェクト』(2019)

※このページは、シェリル・サンドバーグ『LEAN IN』(2013)、石井クンツ昌子『「育メン」現象の社会学』(2013)、
ポール・レイバーン『父親の科学』(2014)、アン=マリー・スローター『仕事と家庭は両立できない?』(2015)、
脇田直枝『広告は、社会を揺さぶった』(2015)、
小島慶子、田中俊之『不自由な男たち』(2016)、田中俊之『男が働かない、いいじゃないか!』(2016)
ジリアン・トーマス『雇用差別と闘うアメリカの女性たち』(2017)
ジャンシー・ダン『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』(2017)、浜屋祐子、中原淳『育児は仕事の役に立つ』(2017)、
『週刊東洋経済 2021年6月21号』(2021)、おたま『若い人がよくばりに見えるのは良い社会』(2021)[リンク]を参考にしました。
「」(サンドバーグ、レイバーン、スローター、小島、田中、ダン p.)と記載されている部分は、それぞれ、シェリル・サンドバーグさん、
ポール・レイバーンさん、アン=マリー・スローターさん、ジャンシー・ダンさんの個人的見解です。
p.は著書のページ数から引用したものです。

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