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Yさんの思い出

小学5年生になってすぐの頃です。
担任の先生がお知らせで、クラスの皆にクラブ活動に参加するように言いました。
僕はドッヂボールクラブに決めました。僕の学年では、女の子のYさんが一緒に参加することになりました。
Yさんは天真爛漫な女の子で、女友達からは男の子みたいだねと言われていました。
特に好きだったのは、ライオンの鳴き真似で、僕の目の前で、しょっちゅう「ガオー」と叫んでいました。

ある時、そんなYさんがドッヂボールクラブを辞めることになりました。
理由ははっきりとは分かりません。でも、顧問の先生から伝えられたことを覚えています。
そして、僕の学年のドッヂボールクラブは僕だけになりました。

結局、僕はYさんに辞めた理由を、問いただしませんでした。
でも、きっと両親からドッヂボールクラブを辞めるように言われたのだと思います。
女の子に「ふさわしい」他のクラブ活動に参加するようにと。
その頃から、ライオンの泣き真似もやらないようになったのかもしれません。

このようにして、Yさんは、その後の人生で、ドッヂボールに参加する機会が少しだけ減り、
動物の鳴き真似をする機会が少しだけ減ってしまうのだろうと思いました。

あなたはどうおもう?

卒業アルバムでは、Yさんは図工クラブ(8人)のメンバーとして、
僕はドッヂボールクラブの唯一の6年生のメンバーとして、
顧問の先生と一緒に写真に写っています。